車通りの多い明治通りから一本路地に入って数十秒。昭和レトロな雰囲気が漂う外観が特徴のうなぎ屋さんがあります。将棋会館でしのぎを削る多くの棋士達がその味に魅了された名店「ふじもと」です。

将棋界にもファン多数！半世紀に渡り愛される絶品うなぎ

「加藤一二三先生に気に入ってもらい、よくご注文していただいていましたね」と語るのは店主の藤原さん。そう、うなぎ屋「ふじもと」を愛してやまないのが、将棋界のレジェンド・ひふみんこと加藤一二三・九段。対局中の昼食・夕食時に、うな重を食していました。

創業から約50年。すっきりとした上品な味わいのタレと、ふんわりと柔らかく焼き上げられたうなぎが織りなす絶妙な味わいは、半世紀に渡って多くの人々の舌を魅了してきたようです。

「ごはんは、近所の山崎米店さんが毎朝精米してくださるお米を炊いています」と、うなぎを黙々と焼きながら語る藤原さん。うなぎの味を引き立てる名脇役・ごはんにもこだわる、名店たる由縁です。

「この街は、“発展途上の街”なんじゃないかな」

2020年に向けて世界の注目が集まる街、ダガヤサンドウ。約50年に渡ってこの街を見続けてきた老舗にも、何か変化はあったのでしょうか。

「最近は海外の方も増えた気はしますね、ビックリするくらい。日によっては、お客様の半分が海外の方という日もある（笑）。2020に向けて、街全体に注目が集まっているのは感じますよ」

―お店を長年続けて来られた中で感じた街の変化は？
「まずは純粋に人口が増えました。最近は新しいお店も増えて、街自体が盛り上がっていると感じます。一方で少し寂しいところは、どこの都市部でも同じかも知れませんが、古いお店が少しずつ無くなって来ていることですかね」

―ダガヤサンドウを一言で表すと？
「これから育っていく街。一言で言うと、“発展途上の街”ですね。これからどんどん伸びていくと思いますよ。一方で、新しい部分だけでなく、古い部分も大事にしていきたいですよね」

創業から半世紀経っても、決して歴史や伝統に甘えること無く、常に新しい美味しさを追求し提供し続ける「ふじもと」。もしかしたら、ダガヤサンドウで一番“古くて新しい”お店なのかも知れません。

うな重＆うな丼は、松：4,600円　竹：3,600円　梅3,100円にて。※吸い物は別料金
ランチメニューは、うな丼：2,300円、うな丼（小）：1,850円　で楽しめます。